はじめに
先日(令和3年の8月17日)、Twitterのタイムラインを何となく眺めていたら気になるツイートを目にしました。
それが「全国定額住み放題サービスを厚労省が違法と判断した」という内容のツイートで、これは空き家活用にも大きく影響してくるかもしれないと思い、記事を書くことにしました。
このようになった経緯と空き家リノベーションの専門家としての私の見解を書いていくので気になる人は是非最後まで読んでみてください。
全国定額住み放題サービスって?!
まず「全国定額住み放題サービスって何?!」というアナタのために簡単に説明します。
このサービスは月々決まった額を払うことによって日本全国色々なところに住むことができるというサービスで、”多拠点居住”と呼ばれたりもしています。
場所に縛られない新しいライフスタイルとして注目を集めており、テレワークとも相性が良いため、アフターコロナのビジネスとして急成長するのではないかと私も考えています。
ことの発端となった”グレーゾーン解消制度”
そして今回の騒ぎのことの発端となったなったのが”グレーゾーン解消制度”です。
このグレーゾーン解消制度とは、例えばアナタが何か新しい事業をやりたいと思った時に、それが法律に違反していないかギリギリのラインだった場合、その事業が法規制されるかどうかを、担当の省庁に確認することができるという制度です。
これを前もってやっておくことで、事業を始めてから「実は違法でした」なんてことにならずに済み、アナタは安心して新しい事業を始めることができるようになります。
そしてこの制度をどこかの会社が利用して確認したところ、厚労省が違法と判断したということのようです。
参考:厚労省の公表文
厚労省の回答の内容
では厚労省は何がどう違法と判断したのか気になりますよね?
その答えは簡単で「そのサービスって旅館業だよね」ってことです。
少し専門家っぽく解説すると、旅館業法で決められている「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」に全国定額住み放題サービスが当てはまると厚労省は判断したということです。
要するにこのサービスが全国各地に「住んでいる」のではなく「泊まっている」と判断されたということですね。
国は”通知”で規制する?!
こうなってくると、これから国(厚労省)はどういう動きをしてくるかを僕なりに予想してみました。
結論から言うと国(厚労省)は一先ず”通知”でこのサービスを規制してくる可能性が高いと思います。
理由は過去に似たようなことがあったからです。
2013年の9月に国交省が「シェアハウスは建築基準法においての寄宿舎に該当する」と通知を出しました。
この通知によって世の中のほとんどのシェアハウスが違法の状態となったのです。
(その後、各自治体の条例で緩和がされています)
法律を改正するのには時間や手間がかかるため、手っ取り早く”通知”で規制をするという楽な手段を国がとってくる可能性はとても高いと思います。
空き家リノベーションのプロとしての見解
ここまで読んで、
「それでアンタはどう思うの?!」
と思っているアナタのために、今後このようなサービスをしている会社はどうしていくべきなのか空き家リノベーションのプロとしての私の意見を話していきたいと思います。
先に結論から言ってしまうと、
「各拠点の建物でそれぞれ旅館業の許可を取るべき」
と私は考えています。
もちろんそれをやるにはそれなりのハードルはありますが、ほとんどの建物が不可能ではないはずだからです。
(参考:【旅館業法改正対応記事】ゲストハウス・民泊開業に必須な旅館業許可を取るまでのハードルって?)
もしどうしてもそれが難しいようであれば民泊新法と呼ばれている住宅宿泊事業法での届出をするという手段もあります。
そして私が何より大事だと思うのが「サービスを利用する人の命を守ること」です。
そしてそのために必要な設備が消防設備になります。
色々な人が入れ替わりながら暮らす建物であれば、
「消防設備は旅館業や住宅宿泊事業を営んでいる建物と同程度にしておくべき」
というのも私の考えの1つとして加えておきます。
参考:【超重要】旅館業許可取得のために抑えておくべき消防法
まとめ
今回は「全国定額住み放題サービスを厚労省が違法と判断した」というニュースについて、私の把握している経緯と見解を話しました。
このサービスは新しいライフスタイルを世の中に届けるだけでなく、空き家活用の新しい手段としても素晴らしいものだと私は考えています。
もちろん法律はしっかり守らなければなりませんが、新しいビジネスを潰すようなことは国にはして欲しくありません。
引き続き今後の動きに注目していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!
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