【初心者向け】民泊の許可はどうやったら取れる?

はじめに

民泊って儲かるんでしょ?!

最近こんな声をよく聞くようになりました。

たしかにコロナ禍が終わりインバウンド需要が復活してきている今、民泊を始めるには絶好のタイミングと言っても良いと思います。

ただ民泊を始めたいと思っていても「何をしたら良いのかよく分からない」とお考えなのではないでしょうか?

そこで今回はそんなあなたのために民泊の許可はどうやったら取れるのか徹底的に解説していきます。
ぜひ最後まで読んでみてください!!

そもそも民泊って?!

まず始めに「そもそも民泊って何なのか」について説明します。

民泊とは簡単に言えば、「民家に泊まる」ことであり、自宅や空き家、空き部屋を宿として貸し出すことです。

民泊を語る上で、やはりAirbnbについて触れないわけにはいきません。
2008年に生まれたこの会社は破竹の勢いで成長し、2014年に日本にも進出してきました。

この当時は許可などは必要なく誰でも簡単に始めることができました。
ただ少しすると宿泊者と近隣住民のトラブルが頻発し社会問題となっていきます。

そこで国が法整備に乗り出し、2018年に本格的にそれがスタートします。
そこから国の許可がないと営業ができなくなりました。

この2018年は「民泊元年」なんて呼ばれたりもしています。

実は3種類ある民泊

2018年以降、民泊を始めるためには国に認めてもらわなくてはならなくなりました。
そしてそれには実は3種類の形があります。
ここではその3種類について説明していきます。

旅館業

まず一番シンプルなのが旅館業の許可を申請するやり方です。
この許可が認められるとあなたの物件が旅館業法という法律で宿泊施設と認められるため当然年間365日営業することができます。

ただ、この旅館業の許可申請をするには色々とハードルがあるのであなたの物件がそもそも申請すら受け付けてもらえない可能性もあります。

それについてはこちらの記事で詳しく解説しているので是非読んでみてください。
【旅館業法改正対応記事】ゲストハウス・民泊開業に必須な旅館業許可を取るまでのハードルって?

住宅宿泊事業(民泊新法)

続いて世間では民泊新法と呼ばれている住宅宿泊事業の届出をするというやり方です。

これは旅館業の許可申請に比べるとハードルは低いのですが届出が受理された場合でも営業できるのは最大で年間180日までとなります。

こちらについても詳しく解説した記事を書いているので是非読んでみてください。

【徹底比較】旅館業VS住宅宿泊事業

民泊180日営業で悩むアナタへ!旅館業への切り替え手続きと失敗しないポイント⑧選

特区民泊

最後に特区民泊です。
こちらは政府が国家戦略特区として指定した地域で認定を受ければ民泊を運営できるというやり方です。基本的には年間365日運営することができます。

対象エリアは以下になります。
・新潟県新潟市
・千葉県千葉市
・東京都大田区
・福岡県北九州市
・大阪府(堺市、東大阪市、高槻市、豊中市、枚方市、吹田市及び交野市を除く)

このエリアに物件をお持ちであればこのやり方でやるのがオススメです。

比較表

見やすいように3つの比較表も載せておきます。

  旅館業住宅宿泊事業特区民泊
営業日数上限なし180日なし
宿泊日数制限なしなし二泊三日以上
建物用途ホテル・旅館居宅、長屋、共同住宅
又は寄宿舎
居宅、長屋、共同住宅
住居専用地域での営業

民泊の許可に関わる法律

ここでは民泊を始めるのに関係する法律について説明していきます。
当然ですがとても大事です。

住宅宿泊事業法(民泊新法)

まず民泊の一番基本的な法律は”民泊新法”と呼ばれている住宅宿泊事業法です。
この法律は民泊という新しいビジネスの登場に対して法律が追いついていなかったため、国が対応して新しく作った法律です。

物件のある最寄りの保健所に届出をし受理されれば営業を始めることができます。

この法律は営業日数に制限をかけており年間180日までしか営業することはできません。
そして自治体によってはさらに営業日数に制限をかけて少なくしているところもあるためご注意ください。

旅館業法

続いて旅館業法です。こちらが一番分かりやすいかもしれません。
先程の住宅宿泊事業法だと物件はあくまで”住宅”として考えられているため営業日数の制限がありますがこの旅館業法は物件を”宿泊施設”として考えるため年間365日制限なく営業することが可能です。

こちらも窓口は住宅宿泊事業法と同じで最寄りの保健所なのですがよりハードルの高い”許可申請”をして許可を受けなければなりません。

そしてこの旅館業法は申請をできるエリアが決められておりどの地域でもできるわけではないので注意が必要です。

建築基準法&都市計画法

まず日本では都市計画法にもとづく用途地域というものが定められており、それによって分けられた地域ごとに造れる建物に制限がかかってきます。

そして建築基準法では「学校」や「工場」など建物の用途というものが決められています。
この用途の中に「ホテル、旅館」という項目があり、これを造るのがOKな地域とNGな地域が用途地域で決められているということです。

旅館業許可OK 旅館業許可NG
  • 第一種住居地域
  • 第二種住居地域
  • 準住居地域
  • 近隣商業地域
  • 商業地域
  • 準工業地域
  • 第一種低層住居専用地域
  • 第二種低層住居専用地域
  • 第一種中高層住居専用地域
  • 第二種中高層住居専用地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域

参考記事:【2023年最新版】民泊を始める時に見落としがちな建築基準法について徹底解説

消防法

そして最後が消防法です。

消防法では旅館業も住宅宿泊事業も同じ「旅館等」として扱われるため原則として宿泊施設としての設備を入れないと営業することはできません。
ただしあなたが物件に住みながら住宅宿泊事業を営業する場合はハードルがグンと下がり設備の設置条件が優しくなります。

こちらの消防法についても詳しく解説した記事を書いているので是非読んでみてください。
参考記事:【超重要】旅館業許可取得のために抑えておくべき消防法

参考サイト:民泊を始めるに あたって – 総務省消防庁

民泊の許可を得るのにマストな行政への事前相談

どのような形で民泊を始めるにしても、行政への事前相談はマストです。
これをせずに見切り発車をしてしまうと大損をしてしまうかもしれないので絶対にやってください。
それでは詳しく説明していきます。

まずは保健所に相談

まずは保健所に相談に行きましょう。
そこで民泊をオープンするためにはどうすれば良いのか保健所でアドバイスをもらい必要な条件を確認します。

そこで意外と大事なのが行く前に必ず担当エリアの保健所を調べてから行くことです。
全然違う保健所に行ってしまわないように注意しましょう。

例えばあなたが民泊をやる物件が埼玉県秩父市にあるのであれば「秩父市 保健所 旅館業」と検索してしっかりと場所を確認しておきましょう。

消防署で確認すること

保健所に相談に行きアドバイスをもらったらその次に消防署に行きます。
これは民泊を始めるために必要な消防設備を確認するためです。

そこで一つ注意しなければならないのですが、消防署は行く前に必ずアポをとってから行きましょう。
何故かと言うと消防署の人は基本的に外に出ていることが多くアポをとらずに行くと担当の人がいなくて無駄足に終わってしまうということが少なくないからです。

そしてもう一つ要注意なのが担当エリアです。
これは保健所と同じなのですが消防署の場合はより細かく担当エリアが別れているので検索するときは「秩父市~丁目 消防署」といったように細かい住所までしっかり調べてから行きましょう。
ちなみに私も何度か全然違う消防署に行ってしまうというミスをしたことがあります。

また、住宅宿泊事業の場合は保健所に提出する”事前相談記録書”が必要になるためそれを準備して消防署にハンコを押してもらう必要があります。

事前相談記録書のフォーマット

ちなみに事前相談記録書は自治体が独自のフォーマットを準備している可能性もあるのでその場合はそちらを準備して持っていきましょう。

建築課で法律チェック

最後に行くのが役所の建築課です。
地域によっては”建築指導課”など名前が違うのですが分からない場合は検索しましょう。
これまでの例と同じく埼玉県秩父市の場合だと「秩父市 建築基準法」で検索すると出てきます。
ちなみに秩父市の場合は”建築住宅課”という名前のようです。

こちらで主に確認する内容は

  1. 非常用照明が必要な箇所
  2. ”用途変更”のハードルの高さ(旅館業でやる場合)

です。

1つ目についてですが災害などの非常時に建物が停電した時のために最低限の明るさを確保する”非常用照明”というものを取り付けなければなりません。これは宿泊しているお客さんが安全に避難をするために必要なものなのでしっかり役所の窓口で確認しましょう。

一般的には階段や通路に部屋から玄関までの明るさを確保するために設置することが多いので設置例の図を載せておきます。

2つ目が用途変更のハードルの高さです。

この用途変更が何かというと建物を新築した時の使い道を、別の使い道に変えるために必要な手続きのことです。

例えば住宅として新築された建物を旅館業をとって宿として使用したい場合はこの手続きが必要になり、その手続きを「建築確認申請」といいます。

この「建築確認申請」がけっこう厄介でこれをする場合は建築士事務所に依頼しなければならず、けっこうな費用が必要になります。
しかもこれをするには建物を新築した時に国が指定した検査機関がしっかりと法律を守って建てられているか検査したことを証明する「検査済証」が必要になります。
古い建物だとこの「検査済証」が保管されてないケースが多く用途変更を諦めなければならないケースがとても多いのです。

ただこの「建築確認申請」は建物の民泊として使う部分の面積が200㎡以下の場合は必要ありません。なのでそこを踏まえてハードルがどれくらい高いのかを窓口でしっかり確認しましょう。
場合によってはやり方が大きく変わるかもしれません。

※3階建ての一軒家の場合は「竪穴区画」の確認も必要になります。
(参考記事:【民泊の始め方】3階建ての空き家を民泊にリノベーションする方法

事前相談に必要な持ち物

最後は事前相談に必要な持ち物です。
これを持っていかないと無駄足になってしまう可能性があるので必ず持って行ってください。

  1. 物件の状況が分かる図面
  2. 物件の写真(屋外と室内の両方)
  3. 物件の住所と面積が分かる資料
  4. 筆記用具(打合せ内容メモるため)

まず1つ目の図面ですがこれは必ず必要になります。
これが無いと窓口の人もどうアドバイスをして良いか分からないからです。

例えばあなたがお年寄りにスマホの使い方を質問されてもスマホが手元に無ければアドバイスのしようがないですよね?それと同じです。

そして2つ目の写真があると打ち合わせの内容がより濃くなり誤解も生まれにくくなります。
屋外と室内の写真を撮っておき、忘れずに持って行きましょう。

そして建物について詳しく話すために3つ目の物件の住所と面積がわかる資料が必要になります。
できれば自治体が保管している”建築概要書”というものの写しを取ってから行くと確実です。

どこで取れるかというと、例えば埼玉県秩父市の場合は「秩父市 建築概要書」と検索するとどこに行けば取れるのか確認することができます。

最後の4つ目ですがこれが実は一番重要だったりします。
筆記用具です。

これは準備した3つ目までの資料を元に窓口の人にアドバイスを受け、それをしっかりとメモをして記録に残すために絶対に必要です。
これを”議事録”と呼んだりするのですがこの”議事録”を残しておけば後から窓口の人と言った言わないのトラブルを防ぐことができ、後々絶大な威力を発揮することがありますので必ず残すようにしましょう。

参考記事:【民泊の始め方】そのままリノベして本当に大丈夫?空き家で民泊を始める時にまずやるべき3つのこと

民泊の許可に必要な書類

ここでは手続きに必要になる主な書類を先程解説した3種類ごとに説明していきます。
この他の書類も必要になる可能性があるので必ず保健所に確認しておきましょう。

旅館業許可申請に必要な主な書類

  • 旅館業許可申請書
  • 構造設備の概要
  • 登記事項証明書(法人の場合)
  • 状況見取り図
  • 建物配置図、各階平面図、正面図および側面図
  • 客室面積の算定図
  • 照明設備系統図、給排水系統図、機械換気設備系統図
  • 使用承諾書
  • 土地・建物登記簿謄本
  • 申請手数料

住宅宿泊事業の届出に必要な主な書類

  • 住宅宿泊事業届出書
  • 住宅の登記事項証明書
  • 事前説明を行った旨を証する書類
  • 住宅の図面
  • 消防法令適合通知書
  • 届出住宅の安全確保に関するチェックリスト
  • 身分証明書
  • 住宅宿泊管理業者から交付された書面の写し(管理委託する場合)
  • 法人の定款、法人の登記事項証明書(法人の場合)

特区民泊の認定申請に必要な主な書類

  • 申請書
  • 住民票の写し
  • 定款または寄附行為及び登記事項証明書(法人の場合)
  • 施設の構造設備を明らかにする図面

民泊の許可申請を外注する場合

ここまで解説した許可申請や届出を自分でやるのが難しい人は外注するのも1つの手です。
手続きを行政書士の人に依頼する場合の相場を書いておきます。

住宅宿泊事業の届出の代行費用相場

20万円~30万円

特区民泊の認定申請の代行費用相場

20万円~30万円

旅館業の許可申請の代行費用相場

40万円~50万円

まとめ

今回は民泊の許可はどうやったら取れるのかを解説しました。
恐らくここまで詳しく解説している記事は他にないのではないでしょうか?

この記事が少しでもあなたのお役に立つことを願っています。最後まで読んでいただきありがとうございました!

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